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Tenten GEO

robots.txt ボット分離戦略

学習はブロック、検索は通す

robots.txt を変更する前に、学習、検索インデックス、ユーザー操作による取得を区別します。各事業者の制御、Google-Extended、CDN の確認と分離用テンプレートを解説します。アクセスの許可は引用や送客の保証にはなりません。

v1.0 · 2026 年 6 月 · Tenten GEO Research

CH.01

全ブロックの代償:あなたが止めているのはボットではなく、流入だ

一括ブロックは、学習用と一緒に検索用クローラーも制限する場合があります。許可する対象を決める前に、各事業者の学習、検索、ユーザー操作による取得の用途を確認してください。制御方法と例外は同じではありません。

多くの人が AI ボットをブロックする理由は「学習に使われたくない」というものです。その動機自体は間違っていません。間違っているのは実行のしかたです。彼らは robots.txt に User-agent: * / Disallow: / と書いたり、Cloudflare で「Block AI Bots」をワンクリックで有効にしたりして、これで学習だけを止めたつもりになります。ところが実際には、ChatGPT、Perplexity、Claude が回答を引用する際に動く「検索ボット」まで一緒に止めてしまっているのです——そしてそれこそが、あなたのサイトへ流入を送り返してくれるタイプなのです。

比率を並べて見れば、一刀両断がいかに無駄かが分かります。Cloudflare が 2026 年 5 月に観測したデータによれば、AI ボットのリクエストのうち 51.8% は純粋な学習用、35.7% は混合用途、純粋な検索用はわずか 9.3% です。本当に止めたい学習トラフィックは半分以上を占め、絶対に止めてはいけない純検索は一割に満たない。一括で全ブロックするのは、半分超の訪問者を追い払うために、その一割に満たない——唯一お金を運んでくる客まで一緒に締め出すようなものです。

図表 1.1

AI ボットリクエストの構成:学習 vs 混合 vs 検索

Cloudflare(2026.5)AI ボットトラフィック観測

純学習
51.8%
混合用途
35.7%
純検索
9.3%

出典:Cloudflare(2026.5)。純検索はわずか 9.3%——これこそユーザーをあなたのサイトへ送り返してくれるタイプですが、一刀両断で最も誤って巻き添えにされがちです。本図表は全面公開しています。引用歓迎、出典を明記してください:Tenten GEO『学習はブロック、検索は通す』。

代償はどれほど大きいか?87.4%

ChatGPT は AI レコメンド流入の 87.4% を動かしています(Conductor)。その検索ボットを止めるのは、現段階で最大の AI 流入の蛇口を自ら閉めるのと同じです。節約できる学習帯域は KB 単位、失う流入は売上単位——どう計算しても損です。

学習と検索へのアクセスは別々に制御します。OpenAI は GPTBot と OAI-SearchBot、Anthropic は ClaudeBot と Claude-SearchBot を区別しています。Google-Extended は Gemini の学習と一部の grounding を制御し、Google Search の掲載や順位には影響しません。この区別だけで順位や引用を保証することはできません。

CH.02

クローラーの用途と制御方法

同じ事業者でも、学習、検索インデックス、ユーザーの要求による取得に異なるエージェントを使います。名前ごとの公式の用途と制御方法を確認してください。会社が同じでも規則は共通とは限りません。

GPTBot は学習に使われる可能性のあるコンテンツを収集し、OAI-SearchBot は ChatGPT 検索を支えます。ChatGPT-User は一部のユーザー操作によるアクセスを処理し、Search への掲載を決定しません。Anthropic は ClaudeBot、Claude-SearchBot、Claude-User を学習、検索、ユーザー要求に分けています。検索アクセスは発見を支えますが、すべての回答での出典リンクを保証しません。

コンセプト図:入口で二種類の AI ボットを分離する——帰属マーク付きの検索ボットを通し、学習ボットを止める
同じ AI ボットでも、検索は通し、学習は止める
ボット名用途通す / 止める所属エンジン / 用途
GPTBot学習止めるOpenAI が基盤モデルの学習に使う可能性のあるコンテンツの収集
OAI-SearchBot検索通すChatGPT 検索を支援。ユーザー操作による ChatGPT-User のアクセスとは別
ChatGPT-User検索(即時)通すユーザー操作によるアクセス。robots.txt が適用されない場合がある
ClaudeBot学習止めるAnthropic のモデル学習(NoHacks / Rankry)
Claude-SearchBot検索通すClaude 検索用にコンテンツを索引化。ユーザー要求は Claude-User が処理
CCBot学習止めるCommon Crawl、複数モデルの学習に供給
PerplexityBot検索通すPerplexity の検索結果とリンク。基盤モデルの学習には使わない
Googlebot検索 / 順位通すGoogle Search のクロール。AI のリンクには索引化とスニペット表示資格が必要で、掲載は保証されない
Google-Extended学習/Grounding の制御要件次第Gemini の学習と一部の Gemini/Vertex grounding を制御する robots トークン。独立した HTTP user-agent はなく、Google Search の掲載や順位には影響しない
Bingbot検索 / 順位通すBing 検索と Microsoft Copilot

事業者ごとに学習、検索、ユーザー要求の用途が異なります。Google-Extended は grounding も制御します。検索アクセスだけで引用は保証されません。

本章のポイント

名称の印象ではなく、公式に記載されたエージェントと用途で判断します。OAI-SearchBot の拒否は ChatGPT の検索回答からコンテンツを除外しますが、案内用リンクは残る場合があります。ユーザー操作による取得には別の規則があり、Search や User を含む名前が同じ動作を示すとは限りません。

CH.03

正確な分離設定:robots.txt の一行ずつの書き方

クローラーの product token に対応する robots.txt グループを確認します。RFC 9309 では一致するグループを統合し、一致がない場合に * グループを使います。適用グループ内では最も長く一致するパス規則を使い、Allow と Disallow が同等なら Allow を優先します。

既定の User-agent: * グループに Disallow: / があっても、名前を指定したグループの Allow: / で対応する検索クローラーを許可できます。名前を省略すると wildcard の制限が適用される場合があり、許可とは限りません。記述順ではなく、適用グループとパスを確認します。

  • →学習方針:GPTBot、ClaudeBot、CCBot を制限する場合は、個別の User-agent グループに Disallow: / を設定します。Google-Extended は別途判断してください。Disallow は学習だけでなく対象の grounding も制限します。
  • →検索アクセス:User-agent: OAI-SearchBot に Allow: / を設定し、Claude-SearchBot と PerplexityBot も個別に確認します。ChatGPT-User はユーザー操作による取得で robots.txt が適用されない場合があります。Perplexity-User は通常これを無視します。Anthropic は三つのエージェントが robots.txt に従うと説明しています。
  • →検索エンジン——必ず通す:Googlebot、Bingbot は完全にクロール可能なまま維持し、AI 学習ボットと混同しない
  • →wildcard の既定規則を確認します。User-agent: * と Disallow: / は一致する名前付きグループがないエージェントを制限しますが、明示的に一致するグループを自動的に上書きしません。robots.txt はクロール指示であり、強制的なアクセス制御ではありません。

robots.txt の限界

robots.txt はクロール指示で、サーバーのロックではありません。Anthropic は自社エージェントが従うと説明し、OpenAI は ChatGPT-User には適用されない場合があるとし、Perplexity は Perplexity-User が通常無視するとしています。強制制御が必要ならホストや CDN を使い、名前だけでなくエージェントの身元も確認します。

CH.04

CDN レイヤーの制御:本当に止め切れる壁

先に結論から。robots.txt はお願い、CDN は執行です。「確実に止める」ことが必要で「丁寧にお願いする」だけでは足りないなら、アクセス制御はホストまたは CDN レイヤーに置き、user-agent ルールで 403 を返すべきで、robots.txt に書くだけでは不十分です。

なぜか?robots.txt に強制力がないからです。user-agent を偽装する、あるいはルールを完全に無視するボットは、あなたが Disallow したディレクトリでも平気で取得していきます。目的が「学習されない」という実害のあることなら、立て看板だけでは足りません——リクエストがコンテンツに到達する前に、CDN/WAF が user-agent に基づいて直接遮断する必要があります。

制御レイヤー仕組み向いていること限界
robots.txt看板での宣言(自主的遵守)ルールを守る主流ボットに対する学習 / 検索の分離強制力がなく、無視や偽装で回避されうる
CDN / WAF ルールuser-agent に応じて 403 / 遮断学習ボットを強制的に止め、本当に「止め切れる」リストを正しく保守し、検索ボットを誤って巻き添えにしないこと
Cloudflare ワンクリックブロックマネージドルールでワンクリック Block AI Bots手間いらず検索ボットも一緒に止めがちで、一刀両断の高リスク

三層アクセス制御の対照 — robots.txt は分離の宣言、CDN/WAF は強制執行、ワンクリック全ブロックは最も楽で最も危険

二層を組み合わせるのが正解

robots.txt で分離の意図(検索は通す、学習は止める)を明記し、CDN/WAF で「止めるべき」学習ボットに強制遮断を補う。CDN で「すべての AI ボットをブロック」というマネージドルールは絶対に使わないこと——それは第一章の 87.4% の流入(Conductor)を自らの手で閉ざす近道です。ルールを設定する際は、OAI-SearchBot、Claude-SearchBot、PerplexityBot などの検索ボットを必ず許可ホワイトリストに明示的に入れてください。

CH.05

設定の反映を検証する:検索ボットがまだ入れるか確認する

先に結論から。設定し終えた=正しく設定できた、ではありません。分離で最も危険な失敗は「気づかぬうちに間違って止める」こと——学習だけ止めたつもりが、実は検索ボットも止めていて、しかも何のエラーも出ない。仮定するのではなく、能動的に検証しなければなりません。

検証の目標はただひとつ:「止めるべき学習ボットが止まり、通すべき検索ボットが通っている」ことを確認することです。両方を調べなければなりません——学習が止まったかだけを調べて、検索が通ったかを調べないのは、半分しか検証していないのと同じです。以下の 5 ステップは、30 分以内で一周回せます。

STEP 1

サーバーのアクセスログを確認する

身元を確認したクローラーの 200、403、429 応答を、意図した方針と照合します。robots.txt の Disallow 自体は 403 を返しません。403 にはホストや CDN の強制規則が必要です。学習制限と検索アクセスは別々に確認します。

STEP 2

curl で user-agent を偽装して実測する

curl -A で指定したエージェント文字列に対するホストや CDN の応答を調べます。学習アクセスの 403 は強制規則を設定した場合に確認します。このテストは規則の確認であり、実際のクローラーの身元や動作の証明ではありません。実アクセスは事業者の IP 範囲とログでも照合します。

STEP 3

robots.txt の解析を照合する

robots.txt テスターに user-agent を一つずつ入力し、OAI-SearchBot/Claude-SearchBot/PerplexityBot が Allowed、GPTBot/ClaudeBot/CCBot が Disallowed と判定されることを確認します。特に、検索ボットを巻き添えにする User-agent: * / Disallow: / が残っていないか入念にチェックします。

STEP 4

AI エンジンで実際に質問してみる

ChatGPT や Perplexity にブランドやテーマを質問し、引用された URL を回答の観測として記録します。引用は既存のインデックスから得られる場合があります。引用があっても直前の取得を証明せず、なくてもアクセス遮断の証明にはなりません。

STEP 5

AI 流入をモニタリングする

chatgpt.com や perplexity.ai からの送客を結果として観測します。アクセス変更は送客の維持や増加を保証しません。変化があれば、ログ、クロール方針、他の原因も確認してから、遮断との関係を判断します。

本章のポイント

検証の順序は「機械が先、回答が後」:まずログと curl でボットレイヤーが通っていることを確認し(STEP 1–3)、次に実際の質問と流入で効果を確認する(STEP 4–5)。機械レイヤーを飛ばしていきなり回答を見ると、「インデックスがまだ更新されていない」だけなのを「設定失敗」と誤判断し、慌てて間違った場所をいじることになります。

CH.06

分離設定テンプレート:コピー、貼り付け、完了

先に結論から。ゼロから書く必要はありません。下のこの robots.txt テンプレートは、すでに学習をブロックし、検索を通す形になっています——一行ずつの対照説明付きで、あなたのドメインに書き換えるだけで公開できます。

使い方:下表のディレクティブを順番にサイトのルートディレクトリの /robots.txt に書き込みます。学習ボットはそれぞれ独立したブロック(User-agent が一行、Disallow が一行)、検索ボットには明示的に Allow、最後に Sitemap を残します。第四章と組み合わせるのを忘れずに——「止めるべき」これらのボットを CDN/WAF の強制遮断ルールにも同期して追加してください。

User-agentディレクティブ説明
GPTBotDisallow: /GPTBot の学習アクセスを制限。OAI-SearchBot は別に制御
ClaudeBotDisallow: /Anthropic の学習を止める
CCBotDisallow: /Common Crawl を止める(複数モデルの学習ソース)
Google-ExtendedDisallow: /Gemini の学習と一部の Gemini/Vertex grounding を制御する robots トークン。独立した HTTP user-agent はなく、Google Search の掲載や順位には影響しない
OAI-SearchBotAllow: /ChatGPT 検索を支援。ユーザー操作による ChatGPT-User のアクセスとは別
ChatGPT-UserAllow: /ユーザー操作によるアクセス。robots.txt が適用されない場合がある
Claude-SearchBotAllow: /Claude 検索用にコンテンツを索引化。ユーザー要求は Claude-User が処理
PerplexityBotAllow: /通す——Perplexity の回答インデックス
GooglebotAllow: /Google Search のクロール。AI のリンクには索引化とスニペット表示資格が必要で、掲載は保証されない
BingbotAllow: /通す——Bing と Copilot
(ファイル末尾)Sitemap: https://あなたのドメイン/sitemap.xml通したすべてのボットに完全なコンテンツ一覧を見つけさせる

方針の例は四つの Disallow と六つの Allow グループで構成されます。Google-Extended は対象の grounding も制限し、ChatGPT-User の Allow は意向の表明です。適用前に事業者の範囲と自社の方針を確認してください。

最後にひとこと

2026 年において、user-agent をひとつ間違えてブロックする代償は、世界最大の AI 流入入口(ChatGPT、AI レコメンド流入の 87.4%、Conductor)から静かに削除されることです——しかも何のエラー通知もなく。学習はブロック、検索は通す。これはやるかやらないかの選択問題ではなく、あなたがこれからも引用されたいかどうかの生死を分ける問題です。

出典と調査方法

掲載したリクエスト構成の 51.8%/35.7%/9.3% は Cloudflare(2026 年 5 月)、AI 送客シェアの 87.4% は Conductor に帰属します。指標が異なるため合算できません。クローラーの用途と例外は 2026 年 10 月 5 日に公式資料で確認しました:https://developers.openai.com/api/docs/bots ; https://support.claude.com/en/articles/8896518-does-anthropic-crawl-data-from-the-web-and-how-can-site-owners-block-the-crawler ; https://docs.perplexity.ai/docs/resources/perplexity-crawlers ; https://developers.google.com/crawling/docs/crawlers-fetchers/google-common-crawlers 。robots.txt のグループとパス規則は RFC 9309 に従います:https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc9309 。テンプレートは自社構成に照らして確認する方針の例であり、当サイトの公開環境の方針や順位、引用、収益を保証するものではありません。

© 2026 Tenten GEO · 本ホワイトペーパーの内容の引用を歓迎します。出典を明記してください。

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