先に結論をお伝えします。Google-Extendedをブロックしても、サイトがAI Overviewsから消えることはありません。この二つはしばしば同じ仕組みだと誤解され、AIによる要約に自社コンテンツを引用させない目的で、robots.txtのGoogle-ExtendedをDisallowにするケースがあります。しかし、実際には要約への掲載は続き、Geminiの学習対象から外れるだけです。Google-Extendedが制御するのは、コンテンツを生成AIモデルの学習に利用できるかどうかです。AI Overviewsに引用されるかどうかは、まったく別の経路で決まります。
Google-Extendedとは何か
Google-Extendedは、Googleが2023年九月に導入した独立した制御項目です。robots.txtに記述することで、自社のWebページをGeminiシリーズのモデルやVertex AIの生成APIの学習・改善に利用できるかどうかを指定します。見落とされやすいのは、Google-Extended自体はクローラーではなく、単独でWebサイトを巡回しない点です。クロールを担うのはあくまでGooglebotであり、Google-Extendedは、取得済みのコンテンツを生成AIに利用できるかどうかを決めるスイッチにすぎません。
そのため、Google検索への登録や検索順位には影響しません。Disallowに設定しても、ページは引き続きGooglebotにクロールされ、検索インデックスに登録されます。順位が下がることもありません。Googleも、Google-ExtendedをブロックしてもGoogle検索上の掲載状況は変わらないと明確に説明しています。設定後に「何も起きなかった」と感じる人が多いのは、検索に関しては実際に何も変わっていないからです。
ブロックしてもAI Overviewsに影響しない理由
AI OverviewsとAI ModeはいずれもGoogle検索の機能です。参照元となるのはGooglebotが構築した検索インデックスであり、Google-Extendedではありません。AI Overviewsに引用されるかどうかを左右するのは、自然検索での可視性です。ページがクロール可能か、インデックスに登録されているか、そして要約へそのまま組み込める回答を機械が抽出しやすい構造になっているかが重要です。Google-Extendedの設定では、この経路を制御できません。
Google-Extendedの設定方法(robots.txtへの実装)
robots.txtはWebサイトのルートディレクトリに設置します。コンテンツをGeminiの学習対象から全面的に外す場合は、このトークンにDisallowを指定します。許可する場合はAllowを記述するか、何も指定しません。デフォルトでは許可されるためです。会員エリアや特定のディレクトリだけをブロックするなど、パス単位で制御することもできます。Googlebotのルールとは独立しており、互いに上書きされることはありません。そのため、学習利用を停止しながら検索流入は維持できます。
- 学習利用を全面的にブロック:User-agent: Google-Extendedに続けてDisallow: /を記述
- 全面的に許可(デフォルト):ルールを記述しない、またはUser-agent: Google-Extendedに続けてAllow: /を記述
- 特定のディレクトリだけをブロック:User-agent: Google-Extendedに続けてDisallow: /members/を記述し、それ以外は許可したままにする
- 変更後はGoogle Search Consoleのrobots.txtテストを利用するか、ブラウザでyourdomain.com/robots.txtを直接開き、反映されていることを確認します。

Google-Extendedはブロックすべきか――判断のポイントは三つ
ブロックすべきかどうかは、コンテンツが保護すべき資産なのか、それともより多くの人やモデルに届けたいマーケティング資産なのかによって変わります。次の三つのケースに当てはめると、判断しやすくなります。
- コンテンツそのものが収益化できる資産である場合(独自調査、有料ナレッジ、限定レポート):検索やAI Overviewsで引用される機会は残しつつ、学習利用をブロックし、モデルへ無償提供しない方針が適しています。
- B2B SaaSで、AIの回答内にブランド名が登場することを重視する場合:通常はブロックする必要はありません。コンテンツを広く学習対象にすることで、AIアシスタントから能動的に推奨される可能性が高まります。
- ライセンス、法令順守、機密性の高いコンテンツに懸念がある場合:サイト全体を一律にブロックせず、対象ディレクトリだけを制限します。一般公開しているマーケティングコンテンツは学習対象として残します。
学習用クローラーと検索・取得用クローラーを混同しない
ここには、GEO施策で特に起こりやすく、機会損失も大きい落とし穴があります。AI関連のクローラーは、大きく二種類に分けられます。一つはコンテンツをモデルへ取り込む学習用、もう一つはユーザーの質問に応じて情報を取得し、回答を生成して出典を付ける検索・取得用です。Google-Extended、GPTBot、Applebot-Extended、ClaudeBotは前者、OAI-SearchBot、PerplexityBot、Googlebotは後者に当たります。「コンテンツを保護したい」と両方をまとめてブロックすると、モデルの学習を十分に防げない一方で、自社サイトだけがAIの参照候補から消えるという結果になりかねません。
- GPTBot(OpenAIの学習用):ブロックするとChatGPTの学習対象には入りませんが、ChatGPT検索から見つけられるかどうかには影響しません。
- OAI-SearchBot(OpenAIの検索用):ブロックするとChatGPT検索に取得されず、出典として掲載されなくなります。
- PerplexityBot(Perplexityの検索用):ブロックするとPerplexityの回答に取り込まれず、出典としても掲載されなくなります。
- Google-Extended(Googleの学習用):ブロックするとGeminiの学習対象から外れますが、AI Overviewsからは引き続き引用されます。
- Googlebot:検索における生命線です。ブロックすると、Google検索とAI Overviewsの両方から同時に離脱することになります。基本的には触れるべきではありません。
AI Overviewsでの表示を本当にコントロールしたい場合はどうするか
現時点でGoogleは、「通常の検索スニペットは残し、AI Overviewsだけから外れる」ための専用設定を提供していません。利用できるのは検索レベルの取得制御です。nosnippetは要約そのものを表示させず、max-snippetは要約の長さを制限し、data-nosnippetはページ内の特定部分を取得対象から外します。ただし、これらの設定は通常検索のスニペットにも影響するため、多くの場合は費用対効果に見合いません。除外方法を探すより、明確な問い、端的な回答、単独でも意味が通る段落を用意し、正確に引用しやすいコンテンツへ整える方が現実的です。AIに引用されるだけでなく、意図どおりに引用される状態を目指しましょう。
最初の問いに戻ると、Google-ExtendedをブロックしてもAI Overviewsからの引用は止まりません。そもそも両者は別の仕組みだからです。本当に確認すべきなのは、検索用クローラーを意図せずブロックし、自社サイトをAIの参照候補から外していないかどうかです。現在のrobots.txtで、どのAIクローラーを許可し、どれをブロックしているのか判断できない場合は、Tenten GEOの30分GEO診断をご予約ください。学習用と検索・取得用の設定をまとめて確認し、何を許可し、何を止めるべきかを整理します。



